量子化学特論(大学院)

(大学院博士前期課程1回生 前期 火曜1限)
前半を小関先生が担当し、後半を私が担当する。量子化学計算プログラムPCGAMESSを用いて、各自の研究を進めるために必要となる実践的な計算のノウハウを理解する。前半の小関先生の授業内容に引き続き、後半では基底関数の正しい選択方法、密度汎関数法、開殻系の取り扱い(UHF,ROHF)、HF近似を超えた理論(MP2, MCSCF, GVB, CI, CC)、励起状態の計算、G1,G2理論、溶液中での系のモデル化について解説を行うとともに、実際の計算例を示すことにする。

日時 授業内容の概略
6月7日 前半の継続のため、既出事項について確認と補足説明を行った。
・LCAO-MO近似
・基底関数の種類と意味 (STO-3G、6-31G)
6月14日 前半からの続きとして、DFT計算を行った。
・基底関数SBKJCと有効内殻ポテンシャルECPを使って金属を含む
クラスターの計算を行う方法。
・ZnCl4,ZnCl6の計算を実際に行い、結晶場理論と配位子場理論に
ついて簡単に解説
6月21日 RHFを超える近似法(UHF,ROHF)について解説した
・O2分子を対象にして、RHF, UHF, ROHF法による計算実行
・軌道の縮退と3重項が安定な分子であることの確認
・<S2>からスピン混入を解説
6月28日 結合の解離がHF計算で説明できないことを解説し、MCSCF計算へ
拡張する必要性を解説
・等核2原子分子(F2)についてHF近似はイオン性と共有結合性を
同等に含んだ計算であることを解説
・HF近似ではラジカル解離の際の解離エネルギーが実測値からおおきく乖離していることを確認
・解離には、反結合性軌道を取り入れた別の電子配置を考慮する必要があることを解説
7月5日 ・F2分子のMCSCF法(all determinantによる計算)を解説し解離が正しく表されることを説明。実測値との比較と大幅に改良されていることを確認。
・レポートを課す。(F2分子の解離ポテンシャルを一重項基底状態と三重項最低励起状態について計算せよ。)
7月12日 ・摂動法と変分法について概要を解説。
・水分子を例にとって、摂動法としてMP2、MP3、MP4を計算した。また変分法としてSDCI計算の実行方法について説明。
・平衡構造がずれると、摂動法は収束が悪くなることを示す。また、SDCI法もHFを参照とすると電子相関の取り込みがわるくなることを示す。
7月19日 溶液中の分子のモデル化について
7月26日 試験